空が青くて涙が出るよ

ブログタイトルはビートルズのBecauseという曲からです。深い意味はありません。

アカデミー賞ミュージカルセレクション

今更感ありますが、見ましたか、アカデミー賞。映画みたいでしたね。私はテレビ見ながら声にならない声を出してました。

叶うことのなかった夢を見させられた「ラ・ラ・ランド」関係者にも、作品賞を取ったのに満足にスピーチのできなかった「ムーンライト」関係者にも、会場の熱気が最も高まる瞬間に間違った封筒を渡されたプレゼンター二人にも、混乱を極めたその場をなんとかまとめなければいけなかった司会のジミー・キンメルにも、「気の毒」と言うしかありません...。

即替え歌を作って放送したジェームズ・コーデン。仕事が早い。
www.youtube.com

まあそれはそれで、個人的には今年のアカデミー賞かなり面白かったなと思ってます。司会のジミー・キンメルのトークはもちろん、自分の番組でやっているような企画をそのままアカデミー賞でやってのける感じ、とっても好きでした。作品賞発表後にマット・デイモンとの最終バトルが用意されていたらしいので、結果あんなことになって見られなくなったのが残念です。ジミー・キンメル、いつかまた司会に戻ってきてほしいなあ。

あとはやっぱりミュージカル(映画だけでなく舞台の)関係者が脚光を浴びていたのが最高でしたね。いちミュージカルファンとしてツボだった瞬間を書いていきたいと思います。アカデミー賞ってなんの賞だったっけ...。

リン=マヌエル・ミラン
まず欠かせないのがリン=マヌエル・ミランダ。モアナの曲紹介のラップも最高だったし、それだけで終わらず他にもちょこちょこ取り上げられててさすがでした。本当に人間国宝になりつつある感じと、「ハミルトン」がミュージカル界だけでなくアメリカ社会全体に大きな影響をもたらしている様子が伝わって来てワクワクしました。

「ハミルトン」というのは2015年にニューヨーク・ブロードウェイでオープンして爆発的大ヒットを飛ばしたミュージカルのことです。先ほど述べたリン=マヌエル・ミランダさんが作詞・作曲・脚本・主演を務めました。アメリカ独立革命から建国までを中心に描いたミュージカルなんですけど、語り口も配役も何もかもが革命的で、「その年盛り上がったミュージカル」の域を軽く超えた、確実に歴史に残るクラシック作品に既になっています。アリシア・キーズケリー・クラークソンジョン・レジェンド、シーアなどの超有名アーティストたちが劇中曲をカバー?リミックス?した「ハミルトン ミックステープ」なるものも販売されています。そのレベルです。こないだ近くのタワレコでも売ってるのを見かけて感動しました。私はシーアの歌う"Satisfied"という曲が大好きです。いつかこのブログでもハミルトンの何かしらの記事を書きたい、、いつか、、、。

アカデミー賞では、リン=マヌエル・ミランダ は作詞作曲を務めた「モアナ」の"How Far I'll Go"という曲で歌曲賞にノミネートされていました。最近映画館の予告でも流れてるあの曲です。式中には映画でも主人公モアナの声を演じ歌声を披露した16歳のアウリイ・クラヴァーリョによる生パフォーマンスがあり、その前にリンがラップで曲紹介をしています。この紹介文?紹介歌?はアカデミー賞本番の一週間前に書いたって本人がツイッターで言ってました。「宿題も通学バスで終わらせてた」タイプだそうです。それでこんなん作れるんだからすごい。 

イントロの書き下ろしラップ
(一応訳してますがかなり自信ない上にラップの命とも言える韻を全無視してるので原語でお楽しみください)

Before she sings the solo, shall I set the scene?
彼女のソロの前に、状況説明してもいいかい?
Picture a young warrior, not even seventeen
若い戦士を思い浮かべて、17歳にも満たない
She dreams of open seas, she's full of hope and sees
彼女は大海原を切望し希望を抱いて見る
A future where she sets her sail and rope against the open breeze
風に逆らって航海する未来を
She doesn't know that she's a voyaging descendant
彼女は知らない、自分が航海者の子孫だということを
Impatient, independent, heart of nature in that pendant
我慢できず、自立して、ペンダントには自然の心が宿り
The ocean's at her feet: she opens her eyes to find
海は彼女の足元に:彼女は目を開け気づく
Her mind is on her island but her eye's on the horizon line...
島のことを考えていても彼女の見つめる先は水平線...

リンク先に動画あります。
www.hollywoodreporter.com

旗が頭にあたるパプニングがあっても動じずに歌いきったアウリイさんかっこいい...。16歳...。

-------------- 

セス・ローゲンは「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のマイケル・J・フォックスにハミルトンの劇中歌"The Schuyler Sisters"を(半強制的に)歌わせてましたね。グッジョブすぎです。

こちらもリンク先に動画あり。
www.hollywoodreporter.com

Seth: I'm gonna pretend half that applause is for me, even though I know, deep down, it is not.
セス:この拍手の半分は僕に向けられたものだってふりをするよ。心の奥では違うってわかってるけど。
Michael: Some of it was for you.
マイケル:いくらかは君に向けた拍手だよ。
Seth: You think like 30% of it was for me?
セス:30%くらいは僕への拍手だって思う?
Michael: ...Some of it was for you.
マイケル:...いくらかは君に向けた拍手だよ。
Seth: Great. Either way, I'm at the Oscars with Michael J. Fox, a DeLorean, while wearing Future shoes.
セス:最高だね。どちらにしても、僕はアカデミー賞にいて、マイケル・J・フォックスデロリアンが一緒で、「未来の靴」を履いてる。
All I have to do is sing the Schuyler Sisters song from Hamilton in front of the world and I will have completed my entire bucket list.
あとはハミルトンの歌"スカイラーシスターズ"を世界の前で歌えば死ぬまでにやりたいことリストを達成できるよ。
"Look around, look around at how luckey we are to be alive right now. Angelica...!"
「周りを見回して、周りを見回して、今を生きられてなんて幸運なんでしょう。アンジェリカ...!」
Michael: "...Eliza"
マイケル:「...イライザ」
Seth: "And Peggy!
セス:(ガッツポーズ)「ペギーも!」

--------------

ツイッターに書かれてる悪口を、向けられた本人に読ませる"Mean Tweets"オスカー版にもリン=マヌエル・ミランダ、出てましたね。個人的にはマイルズ・テラーの「マイルズ・テラーって新郎も新婦も知り合いじゃない結婚式でガンナムスタイルをリクエストしそうな顔だよね」とジェフ・ブリッジスの「ジェフ・ブリッジスってみんなが思ってるほどズボン履いてないと思う」がすごく好きでした。

www.youtube.com

--------------

ベンジ・パセック&ジャスティン・ポール
あの"Dear Evan Hansen"の作詞作曲をしたベンジ・パセックとジャスティン・ポール、オスカー取っちゃいましたね!

こちら"Dear Evan Hansen"の記事です。よかったら。

nicjaga.hatenablog.com

ベンジ・パセックとジャスティン・ポールは「ラ・ラ・ランド」では作詞を務めていて、作曲担当のジャスティン・ハーウィッツと共に"Audition (The Fools Who Dream)"と"City Of Stars"で歌曲賞にノミネートされ、"City Of Stars"で受賞を果たしました。それはつまりリン=マヌエル・ミランダが受賞できなかったってことになってちょっと複雑な気持ちなんですけど、まあしょうがない。

二人の受賞スピーチ、素敵でした。(動画は見つかりませんでした)見つけました
(最初にスピーチしているのが作曲担当のジャスティン・ハーウィッツさんで、その後ジャスティン・ポールさん、ベンジ・パセックさんの順で続きます)

www.hollywoodreporter.com

Justin Paul: I was educated in public schools, where arts and culture were valued and recognized and resourced. And I’m so grateful for all my teachers, who taught so much and gave so much to us.
ジャスティン・ポール:僕は公立学校で教育を受けて、そこでは芸術と文化が評価・認識され、設備が整えられていました。僕たちに多くのことを教え、与えてくれた全ての先生方に感謝しています。

Benj Pasek: I want to thank my mom, who is amazing and my date tonight and she let me quit the JCC soccer league to be in a school musical. So this is dedicated to all the kids who sing in the rain, and all the moms who let them.
ベンジ・パセック:今日のデート相手で素晴らしい母に感謝したいです。母は学校のミュージカルに出るためにJCCサッカーリーグを辞めさせてくれました。この賞を雨に唄う全ての子どもたちと、それを可能にさせるお母さん方に捧げます。
 


あ、あと、「ラ・ラ・ランド」のプロデューサーの一人のマーク・プラットという方、"Dear Evan Hansen"で主役エヴァンを演じるベン・プラットのお父さんだったんですね!ウィキッドのプロデューサーだったことしか知らなかったので大作映画もいろいろ手がけていることを知って驚きました。 

作品賞間違いのおかげでそんな知識も得ることができました。いやー楽しかったな今年のトニー賞アカデミー賞