"For Forever" - Dear Evan Hansen
信じてた〜〜〜!!!!
ミュージカルDear Evan Hansenで主役エヴァンを演じるベン・プラットが、テレビ番組で"For Forever"を初披露しました。Dear Evan Hansenは全曲が名曲だから一番好きな曲を決めるのってすごく難しいんですが、今私が気に入っていて何度もリピートしてる曲がこのFor Foreverなのでもう感謝の気持ちしかないです。ソロ曲だからトニー賞でのフルパフォーマンスは可能性低いだろうな〜とも思ってたので本当に本当に嬉しい。ありがとうスティーヴン・コルベア、ありがとうベン・プラット、ありがとうCBS。
Dear Evan Hansenのざっくりしたあらすじと劇中曲"Waving Through a Window"の紹介はこちらの記事で書いているので良かったら。
nicjaga.hatenablog.com
最初は歌だけを載せようと思ってたんですが、スティーヴン・コルベアとのトークもすごく面白かったので載せておきます。登場の時バンドが"Waving Through a Window"を演奏してるのがまず最高。ベンプラットは緊張のせいなのか元々なのか役が移ってるのかは分かりませんがめっちゃ早口です。よく噛まないな...。
Dear Evan Hansenの感想でよく見るのが「最初から最後まで泣いてた」というもの。動画内でスティーヴンコルベアも"I started crying in the first song, and I did not stop.(最初の歌で泣き始めて、止まらなかった)"と言っています。そりゃそうだよ...私アルバム聴いただけで頭痛くなるくらい泣きましたもん...こんなの生で見たら嗚咽して立てなくなりそう、本気で。
Q. 観客だけでなくベン自身も泣きながら歌ってるけど、どうやってるの?
(3:16~)泣いてる時は粘液とか液体が流れてくるから、音を出すためにそれをいつ飲み込んでなくすか技術的に計算してるって感じかな。面白いのは、一度そういうのを飲み込んでなくしちゃえば音を送り出すのに使える場所も音が鳴り響くスペースもたくさんできるから、泣いた後って歌うのにはすごくいいタイミングなんだ。(笑いが起きた観客席に向かって)Sing after you cry.
Q.(ツバとか色々飛んでくるから)前の席に座ってる観客はポンチョが必要?
(4:13~)普段はツバも鼻水もコントロールしないで出るがままにしてるんだけど、一回だけそれを自分に都合よく使ったことがあった。4人の十代の外国人が最前列の席に座ってたことがあって、男の子2人が端にいて女の子2人が真ん中にいるダブルデートだったんだけど、ブロードウェイに劇を見に行くってことがどういうことか全然理解してなかったんだ。ずっとおしゃべりしてるしお互いの顔を見たり僕を指差してコメントしたり...僕は一幕でタイミングを探しては彼らを睨みつけて「お願いだから黙ってくれ」ってテレパシーを送ろうとしたんだけど、それが彼らをけしかけちゃって「彼こっちを見てる!」って。僕は「オーケー、それは僕が欲しかった反応と真逆だよ」って感じだったんだけど。それでどうしたら彼らをただ静かにさせることができるか考え続けてたんだ。一幕の終わりにステージの前の端まで出てスピーチをするシーンがあって、僕が立った場所は彼らの目の前だったんだ。そこで起きたのが...'come-to-Jesus moment'って呼びたいんだけど、僕はユダヤ教徒だから'come-to-Moses moment'の方が近いかな。くしゃみがしたくなったんだ(God sent me a sneeze)。いつもなら僕は焦って隠そうとするんだけど、彼らの顔めがけてぶちまけたよ。
※ 'come-to-Jesus moment'は「自分の行いの罪深さに向き合わなければいけなくなる瞬間」みたいな意味です、たぶん。
"For Forever"という曲
番組内でベンプラットがしていたFor Foreverの曲紹介。文字にしてみるとベンプラットの早口っぷりが分かりやすくてちょっと面白かったです。35秒間のあいだで約150単語って...酸欠にならないんですかね。さっき調べてみたところTOEICリスニングの平均Words Per Minute(一分間に読まれる単語の数)は150〜160くらいらしいので約倍のスピードですね。こわ。
(5:50~6:25) Essentially, this lie that he fabricates is that he was friends with a kid in the class who has committed suicide. And so Evan has been invited over to dinner by this kid's grieving family. And they have been led to believe that he was a friend of their son. Evan's plan when he goes to dinner is to sort of either defuse that or make sure the situation ends right there. However, the mother of this kid is so in desperately need of something good to hold on to, some sort of memory, that Evan starts to fabricate the story about a day that they had, a friendship never existed. And in doing so, really visibly helps this mother to heal and also sort of finds that he gets to heal a little bit himself and finds an answer to his loneliness that he didn't expect to find.
エヴァンがでっち上げた嘘っていうのは「彼(エヴァン)が自殺したクラスメイトと友達だった」っていうものだった。だからエヴァンは悲しみに暮れるその子の家族に夕食に招待されるんだ。彼らはエヴァンと彼らの息子が友達だったと信じ込むに至っているから。家を訪ねる時の計画では、エヴァンはその状況を打開するかその場で終わらせるつもりだった。でも、その子のお母さんが心の支えとなる何かいいもの、思い出のようなものをあまりに切実に求めていたから、エヴァンは彼と過ごしたある一日のことや存在しなかった友情を作り上げて話し始めてしまう。そうすることで、母親を癒やす手助けができていると本当に目に見えて分かるだけでなく、エヴァン自身も少し癒されていることに気づき、彼自身予期していなかった彼の持つ孤独感に対する答えを見つけるんだ。
歌詞と和訳
(一応訳してみてはいますが英語の歌詞が本当に本当に綺麗なので和訳は気にせず英語でお楽しみください)(アルバムでは歌われてるけど番組ではカットされてるところ薄字にしてあります)
[EVAN]
End of May or early June
5月の終わりか6月の初め
This picture perfect afternoon we share
僕らが一緒に過ごした完璧な午後の光景
Drive the winding country road
曲がりくねった田舎道をドライブし
Grab a scoop at A La Mode
ア・ラ・モードでひとすくい
And then we're there
そうやって行き着く場所
An open field that's framed with trees
木でふちどられた開けた野原で
We pick a spot and shoot the breeze
場所を決めて話をするんだ
Like buddies do
親友がやるみたいに
Quoting songs by our favorite bands
お気に入りのバンドの歌から引用して
Telling jokes no one understands except us two
僕ら2人以外には誰も理解できないジョークを言う
And we talk and take in the view
僕らは話して景色を楽しむ
All we see is sky for forever
僕らに見えるのは永遠に続く空だけ
We let the world pass by for forever
世界が過ぎ去って行くのをずっと眺める
Feels like we could go on for forever this way
僕らはずっとこのままでいられるんじゃないかって感じるんだ
Two friends on a perfect day
2人の友達 完璧な日
We walk a while and talk about
僕らはしばらく歩いて話すんだ
The things we'll do when we get out of school
学校を卒業したら何をするかって
Bike the Appalachian trail or
アパラチア山脈を自転車で駆ける
Write a book or learn to sail
それか本を書いたり船の操縦を学んだり
Wouldn't that be cool?
それってクールだと思わない?
There's nothing that we can't discuss
話題にできないことなんて僕らにはなかった
Like girls we wish would notice us but never do
僕らに気づいて欲しいけど決して気づかない女の子のこととか
He looks around and says to me
彼は周りを見渡して僕に言う
"There's nowhere else I'd rather be"
「ここ以上に僕が居たいと思う場所はないよ」
And I say, "me too"
そして僕は返すんだ「僕もだよ」
And we talk and take in the view
僕らは話して景色を楽しむ
We just talk and take in the view
ただ話して景色を楽しむ
All we see is sky for forever
僕らに見えるのは永遠に続く空だけ
We let the world pass by for forever
世界が過ぎ去って行くのをずっと眺める
Feels like we could go on for forever this way
僕らはずっとこのままでいられるんじゃないかって感じるんだ
This way
このままで
All we see is light for forever
僕らに見えるのは切れ目のない光だけ
'Cause the sun shines bright for forever
太陽が絶え間なく輝き続けているから
Like we'll be alright for forever this way
僕らはずっとこのままで大丈夫って言っているみたいに
Two friends on a perfect day
2人の友達 完璧な日
And there he goes
彼が向こうへ
Racing toward the tallest tree
一番高い木に向かって駆けて行く
From far across the yellow field I hear him calling "follow me"
黄色い野原の遠く向こうから彼の声が聞こえる「ついて来いよ」
There we go
僕らは向こうへ
Wondering how the world might look from up so high
あんな高みからだとこの世界はどんな風に見えるのか
One foot after the other
片足を乗せ もう一方の足も
One branch then to another
ひと枝掴み またもうひと枝
I climb higher and higher
僕は登る 高くへ高くへ
I climb 'til the entire
僕は登る
Sun shines on my face
太陽の光が僕の顔を照らすまで
And I suddenly feel the branch give way
そして突然 枝が折れるのを感じる
I'm on the ground
僕は地について
My arm goes numb
腕の感覚がなくなる
I look around
周りを見渡すと
And I see him come to get me
彼が駆け寄ってくるのが見える
He's come to get me
彼が駆け寄ってくる
And everything's okay
そしたら問題なんて何もない
All we see is sky for forever
僕らに見えるのは永遠に続く空だけ
We let the world pass by for forever
世界が過ぎ去って行くのをずっと眺める
Buddy, you and I for forever this way
親友 君と僕 いつまでもこのままで
This way
このままで
All we see is light
僕らに見えるのは光だけ
'Cause the sun burns bright
太陽が明るく輝いているから
We could be alright for forever this way
僕らはきっと大丈夫 いつまでもこのままで
Two friends
2人の友達
True friends
本物の友達
On a perfect day
完璧な日
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"For Forever"はこれ単体で聴いても綺麗で素晴らしい曲なんですが、 この一つ前に歌われるWaving Through a Windowでエヴァンの置かれている状況、心情を知ってから聴くともう涙が止まりません。
亡くなったクラスメイトのお母さんは、自分の子の人生が誰かにとって意味のあるものだったんだと思えるような良い思い出を心底必要としていて、「友達」だったエヴァンにそれを求めます。エヴァンは実際には存在しなかった彼との友情、彼と過ごした一日を語ることで母親の求めているものを与えると同時に、語っている内にこれは自分が求めているものでもあるんだと気づきます。なんでも話し合える友達、木から落ちたら気づいてすぐに駆け寄って来てくれる友達。現実では木から落ちても周りに気づいてくれる人が誰もいなかった孤独なエヴァンにとって、そんな友達がそばにいてくれる一日は「完璧な日」に違いありません。
この曲で観客の水分と塩分を奪い取った後に登場するのはエヴァンの友達(ではない)ジャレッド。彼はエヴァンの一連の話を聞いて一言。
「恋人だったと思われたんじゃない?」
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CD。
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