買いました、「22ジャンプストリート」のブルーレイ。
この映画自体を初めて観たのは2014年だと思うんですが、本編だけで満足しすぎてネット上で感想を漁ることすらしなかったので、ブルーレイ版にこんなに特典が入ってるの、知りませんでした。めちゃくちゃ好きな映画なだけに情報収集力のなさが恥ずかしい限りですが、まあbetter late than neverってやつですよ(英語の格言使っとけば頭良く見えそうという安い発想)。
「22ジャンプストリート」という映画
特典の話がしたいので映画本編の詳しい話なんてしません。この映画は予備知識なんて何にもいらないし何にも知らないで観るのが一番楽しいと思うので観たことなくて笑いたい気分の人は何も考えず観てみればいいと思います。旧作料金で借りられるし。私は記憶を消してもう一回観たい。
ただ「22ジャンプストリート」は「21ジャンプストリート」の続編で、話も一応繋がってるので順番通りに観た方がいいとは思います。私は「22ジャンプストリート」の方が好きですが、「21ジャンプストリート」も決して惰性で観るような映画ではないです。傑作でした。
監督はフィル・ロードとクリス・ミラーの二人。彼らが監督を務めた映画はまだ4本しかないんですが(脚本やプロデューサーを務めたものは他にもあります)、その4本全部がもれなく面白い。私は2014年に「レゴムービー」を映画館で観て感動した勢いで「くもりときどきミートボール」(2009)「21ジャンプストリート」(2012)「22ジャンプストリート」(2014)の順で続けて借りて観ました。確か。この4本ですっかりシャブ漬けにされたのでもう記憶とか定かじゃないです。快楽しかない。
「くもりときどきミートボール」の特典はツタヤのDVDにも収録されていたから一通り全部見て、それもものすごく面白かった記憶があります。映画内で主人公がヒロインをゼリーでできた城に招待するシーンがあって、本編では全く語られないけど、この城は主人公が中のゼリーを食べていくことで形作った、みたいな話が特に印象的でした。
背景のゼリーに刺さってる銀色の細い物体、全部スプーンなんだそうです。本編観てる時は全然気付きませんでした。ここはまだ工事中だったんですね。
あとなんか監督二人が「映画ってこうやって作るんだよ!」とかなんとか言いながら本にひき肉とかを挟んでいくどうかしてる特典も入ってたような気がする、、現実かな、、、。
ちなみにこの監督コンビは現在スターウォーズのスピンオフ(若きハン・ソロの物語)を絶賛撮影中です。楽しみでしょうがない。どんな映画になるんだ。
「22ジャンプストリート」のブルーレイ特典
「22ジャンプストリート」の特典の話ですよ。どんなに嫌なことがあっても、これが存在する世界線に生きていることを思い出せばこの世界も捨てたもんじゃないなって思える気がします。ちょっとは。
ブルーレイ特典に含まれるのは以下のものです。
○監督・キャストによる音声解説(英語のみ)
○未公開シーン
○製作の舞台裏
○エクステンデッド・シーン:ジョーク集
○エクステンデッド・シーン
○エクステンデッド・シーン:シリアスバージョン
○ズーク&マクエイドの売り込みビデオ
○ジェンコの開脚
いくつか抜粋して内容紹介&感想をば。
エクステンデッド・シーン:シリアスバージョン
私はこれの内容を知って「買わなきゃ...」って思いました。最初に差し込まれている説明文をそのまま載せます。
コメディは外国でヒットしないので両監督は本作を犯罪ドラマに編集し直せと命じられた。笑えるシーンをすべてカットした結果9分30秒の短編映画が完成した。
もう既に面白い。2時間ぐらいあった映画が本当に9分30秒になっててガンガン話が進むしエンディングも全然違います。メルセデスなんて全カットされて1秒も出てきません。いるだけで面白いからね、メルセデス。しかも真面目なシーンだけをつないだからシリアスな映画になってるかというと全然そんなことなくて、絶妙な編集で結果的にめちゃくちゃ笑える映画になってるという。最初の密輸入を暴こうとする場面とか、セリフ喋ってるシーンがカットされてるのでお互いに何も言わずただ見つめ合う映像が流れます。いろんなアングルで。で、突然「あいつら警察だ!」って正体がばれる。そんなシーンの連続でほんといい加減にして欲しい。胃がよじれる。
未公開シーン
未公開シーンが盛りだくさん。特典として収録されてる分だけでも多いのに実際にはもっとありそうな口ぶりで、アドリブとかを入れすぎて「マイケルベイ監督の『アルマゲドン』レベルにフィルムを使った」みたいなことを言ってました。「上映時間長い方がアカデミー賞にノミネートされやすいんじゃない?」とかも。
刑務所にいるウォルターズ先生を訪ねるシーンなんて、本物の刑務所に行って「ロブ・リグル(ウォルターズ先生)がふざけるのを4時間撮った」そうです。実際に使われた時間は7分にも満たないのに。「ジョナ・ヒルとチャニング・テイタムが笑ってない映像を選ぶのに苦労した」とも言ってました。エクステンデッド・シーンでこの場面のカットなしの収録の様子が見られるんですけど、本当に数秒ごとに誰かが笑っては演技を中断させていて、編集の力ってすごいんだなって思いました。
あと、ルースター役のジミー・タトロに「ドリトスの袋を開けようとし続けてくれ」とだけ頼んで、すごく開けづらいよう袋に細工をして彼に自由にやらせた、っていう映像も入ってて、それが超ツボでした。GIF画像にして欲しい。
ジェンコの開脚
その名の通りチャニング・テイタム演じるジェンコの開脚チャレンジ。超バカバカしくて最高に面白い。本編の内容とは一切関係ありません。
音声解説
音声解説は英語音声だけで字幕が付いてないのがケチだなって最初思ったんですが、見てみるとこの音声解説、監督2人と主役2人の計4人でやってるんですよ。4人が同時に喋ったりするわけですよ。字幕、、つけられないのも無理ないのかなとか思っちゃいました。そんなん画面字で埋まるわ。まあ単に予算とかやる気とかの問題かもしれないしほんとの理由は知りませんけど。
この音声解説はすごくアットホームな雰囲気で、4人が楽しそうに談笑しながら進みます。
以下は聞き取れた中で個人的に面白かったところの一部。
*一番最初の自己紹介
クリス・ミラー:Hey, I'm Chris Miller.
フィル・ロード:I'm Phil Lord.
(画面にSONYという文字が出て音楽が流れ始める)
ジョナ・ヒル:I'm Sony!
チャニング・テイタム:I'm music!
自由か。
*咳の話
「劇場版ではソニーのロゴが映るちょっと前に小さな咳が後ろのスピーカーから流れるようにした」っていう監督の裏話が最高でした。ジョナ・ヒルも言ってたけど「天才か?!」って感じ。絶対スピーカーからの音って気づかないよ...。劇場公開されてない日本では関係ないんですけどね!
ちなみに、家で観た人が「誰かこの家にいる」と思ったらいけないからブルーレイ版には収録されてないそうです。自分ちで知らない人の咳聞こえてきたら怖いもんね。
*即興
大学の詩の朗読会でシュミットが突然ステージに上げられて即興で詩を披露をしなければいけなくなるシーン。ジョナ・ヒルは「このシーンの収録は恐ろしかった」と言っています。なぜなら監督たちは彼に何も与えず、出した指示は「あそこに立って、面白いこと言って(go there, be funny)」。鬼か。
ジョナ「スピーチが居心地悪くなるくらい上手くいかなくてだんだん胃に不快感が広がってくることってあるでしょ。僕はその気分をずっと味わってた。」(中略)「ピ、プ、ピ、、これ普段でも使ってるんだよね。言うことが何も思いつかないときとかに(笑)ほんとに居心地悪かった(笑)」
*オフィスの例のシーン
本編内屈指の傑作シーン。チャニング・テイタムのアイデアだったんですね。監督たちに「思うんだけどさ、ただ椅子に座って反応するだけじゃなくて、立ち上がってはしゃぎたい(get up and go crazy)!」って提案したみたいです。ありがとう。
21ジャンプストリートを観るまでチャニング・テイタムって「超マッチョで、セクシーな男ナンバーワンに選ばれたこともある人気俳優」くらいの認識で特別興味もなかったんですけど、今ではすっかりファンですよ。コメディセンスがありすぎる(映画内の"my name is Jeff"シーンも最高でした)。他にもいろんなコメディに出ていただきたいものです。
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紹介したのはほんの一部でまだまだ面白い話/映像が詰まってるのでこの映画が好きな人は、ブルーレイ、買って損はないと思います。そこまで高くないですし。本編で満足してたのにさらにこんなに楽しませてくれてありがとうって感じでした、個人的には。
「21ジャンプストリート」と二枚組で売られているお得パックもあります。ただ「21」の方には特典が入ってないみたいなのでお気をつけください。
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特典が全部含まれてる「21ジャンプストリート」のブルーレイって日本では売ってないんですかね。調べ足りないだけで売ってるのかな。もし見つけたら贈ってください教えてください。