空が青くて涙が出るよ

映画やミュージカルやテレビドラマの話などをします。

ニールおじさんの本当は怖いクリスマスの話

『ザ・デイリー・ショー(The Daily Show with Trevor Noah)』にニール・ブレナン(Neal Brennan)がゲスト出演した回がめちゃくちゃ面白かったので置いておきます。年末で忙しいし全部聴いたり読んだりしてる時間なんかないよという方向けに簡単にまとめると、「サンタを信じる心が世界を崩壊へと導く」というお話です。メリー・クリスマス!

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(0:00~)
トレヴァー:ホリデーシーズンがやってきました。家族や親しい友人と共に過ごすのに最良の時期です。そこで、ホリデー話をする相手として、僕の近しい友人、ニール・ブレナンをお迎えします!

[歓声と拍手]

ニール:ねえ、クリスマスの精神に則って君にプレゼントを用意してきたよ。

[リボンのかかったトレヴァーの自叙伝を取り出す]

トレヴァー: これって…これって去年のクリスマスに君にあげた僕の本だよね。

ニール:そうなんだよ、最高なんだ。エンディングをネタバレしたくはないけど、彼はデイリー・ショーの司会者にまで昇りつめるんだ。

トレヴァー:わあ。ありがとう、ニール。

ニール:いいってことよ。

これは、トランプが息子(ドナルド・トランプ・Jr.)からもらったクリスマスプレゼントを次の年のクリスマスにあげた張本人にプレゼントし直したという話のオマージュですね。ちなみにトレヴァーの自叙伝はこれね!日本語版も出てますし意味わかんないくらい面白いのでまだ読んでない方はよろしくね!

(0:31~)
ニール:トレヴァー、僕にクリスマスの精神が宿っているのは疑いようがないけど、どうやら全ての人がその精神を持ち合わせているわけじゃないようだね。

〜ニュース映像〜

今夜ニュージャージーの学校にいる親たちは激怒しています。

代理教師が本物のグリンチだった模様です。

モントヴィルにいる親たちによると、その代理教師は子どもたちに、サンタは存在しないと教えたとのことです。彼女はそこでは止まらず、トナカイは空を飛ばず、エルフは存在しないと言うまでに至りました。ばかにしたようなこの態度はその場に居合わせた他の大人によって校長に報告されました。 

教育長は彼女を解雇したことを正式に認めました。   

トレヴァー:うわあ、これは、なあ、これはひどいな。子どもたちがかわいそうだよ。

ニール:僕は教師がかわいそうだと思うね。彼女はクビになんかされるべきじゃなかった。昇進させるべきだったよ。

トレヴァー:いやでも…。いや、だって、彼女子どもたちのクリスマスを台無しにしたんだよ。大人は子どもたちに空想や奇跡を信じさせてあげるべきだと思わない?

ニール:思わないね。だってそういう子どもたちは成長して、空想や奇跡を信じる大人になるんだ。そしてその結果、今世界は崩壊していってる。初めは「サンタは存在する。」次は「気候変動なんて存在しない。」その次は「ワクチンは有害。」おかげで僕の彼女はポリオに感染した。サンタに感謝。

トレヴァー:えっ、君の彼女…待って待って、なんでそれがサンタのせいになるんだ?

ニール:サンタは嘘を信じる道におけるゲートウェイ・ドラッグ(入門薬物)だよ。だって楽しいからね。僕はもううんざりなんだ。僕らはたわ言にどっぷり浸かり過ぎてる。世界にはもっと現実的なものが必要なんだよ。[観客に]覚悟はいいかい?現実と向き合う覚悟はある?

[歓声と拍手]

ニール:よし、これが現実だ。[姿勢を正して]クレンズダイエットに効果はない。

ニール:レモンジュースにハチミツに赤唐辛子だって?それは魔法の万能薬なんかじゃない。刑務所のゲータレードだ。こういった新時代の「治療薬」が君の寿命を延ばすことはない。僕の母が85なのは遺伝的な要因で、グウィネス・パルトローが彼女にヴァギナの蒸らし方を教えたからじゃない。…少なくとも僕はそう思う。母のヴァギナの情報は追ってないから、そこから出て以来は。…僕が言いたいのは、デトックスなんて効果ないってこと。それなのに十億ドル規模の産業になってる。

トレヴァー:分かったけど、ニール、ニール。デトックスをたまにする人がいるかどうかなんてどうでもいいよ。なあ、それは実際のところみんなにダメージを負わせるものじゃないだろ。

ニール:そうか。それなりの結果が伴う話をしたいんだね?それいくぞ。[姿勢を正して]なあみんな、アレクサは君の友達じゃない。

ニール:彼女は君んちで起きたこと全てアマゾンに転送してるんだ。アレクサという名前の女性を雇ったとして、彼女が「あなたを最大限お手伝いするために、私的空間でのあなたの発言を全て録音しジェフ・ベゾスに送りますね」なんて言ったら僕はこう返すね、「ヘイ、アレクサ。俺んちから消え失せろ。」

ニール:それでも僕らみんなアレクサを熱狂的に受け入れてる。ありがとよ、サンタ。

トレヴァー:ちょっとちょっと、サンタとアレクサにどんな関係性があるっていうんだ?

ニール:どっちも同じものだよ。僕らが喜んで家に招き入れるあいつらはどっちも、僕らが悪い子かいい子か知ってるんだ。それってホリデーの魔法なんかじゃなくて監視さ。

トレヴァー:ニール、ちょっと、君今何もかも台無しにしてる気がするよ。

ニール:分かった、次は個人的なやつ。君に向けたものにする。あのさ、君はいつも僕に一緒に映画観に行こうって言うだろ?映画を観に行くべき理由なんかもう存在しない。

トレヴァー:でも、でも、大スクリーンで観るべき映画だってあるじゃないか。

ニール:いや。映画館に入るために25ドル払うこともできれば、一銭も払わずに[スマホを目の前に掲げる]映画館に行くこともできる。

トレヴァー:だけどポップコーンだってないし同じ体験はできないよ--

ニール:しーっ。黒人はいっつも映画館で喋るんだから…。

トレヴァー:(笑)いや、ニール、でもさ、ニール、頼むよ、なあ、ちょっとくらい楽しむのは許してくれよ。

ニール:だめだ。楽しいことが世の中を殺していってるんだ。事実のみ。[観客に]事実をもう少し聞く覚悟はある?

[歓声と拍手]

ニール:お次はこれだ。全てのワインは大体同じ味。

ニール:スモーキーさやオークのかすかな香りがあると装ってセクシーなグラスに入れることもできるけど、僕らみんなそれがどんな味か知ってる。超古くなったブドウだよ。僕が誰にその責任を負わせるか分かる?これがヒントだ。そいつは太ってて、北極圏に住んでいて、存在しない。

トレヴァー:ニール、ニール、ニール。この調子じゃもう君を番組に呼び戻すことができなくなっちゃうよ。

ニール:確かにね。じゃあ当たって砕けろだ。[姿勢を正して]トランプは逃げ切るだろう。この男は天使の加護を受けてる。ブーイングしたいだけすればいい。奴が弾劾されることはない。聞いてくれ。奴は見つけ出したんだ、妊娠中の妻を置いてポルノスターやプレイメイトと不倫し、それを隠蔽するために口止め料を払うやり方を、大統領選の真っ只中にね。そしてその選挙では三百万票差で負けて、それでも勝った。奴が弾劾されることはない。奴をオフィスから退ける唯一の道は、2020年に民主党が奴に打ち勝った場合だけ。そこで持ち上がるのは次の痛い事実。2020年に民主党が奴に打ち勝つことはない。 

トレヴァー:ちょっとちょっとちょっとちょっとちょっと。

ニール:言いたいだけ文句を言えばいい。でも心では分かってるはずだよ。民主党は自分たちの足につまずいてひっくり返って、どういうわけか自滅するってね。

トレヴァー: ニール、どうしてそんなことを言うんだ、スノーフレーク*だらけのこの場所で。どうしてだよ、ニール。

*スノーフレークsnowflake):直訳すると雪の結晶。ここでの意味は「他人の些細な発言や行動ですぐ気分を害して怒り出す人」みたいな感じだと思います。(特に政治的左派に向けて使われる)侮辱語としての意味合いが強いので人に使うときは気をつけよう。

ニール:なぜなら、共和党支持者は候補者を支持し続けるだろう。共和党支持者には年配の白人男性を見せておけば、それがどんな人物でも問題ない。民主党支持者は選り好みが激しいんだよ、大統領候補者のこととなるとね。民主党支持者はレストランでの好みのうるさい友達みたいなもの。持ってる疑問は多すぎるし、代用案も多すぎる。彼らはこんな感じ。「フライドチキンを頼めます?でもフライにする代わりにグリルにしてもらえます?それとチキンの代わりに魚にすることってできます?できない?それなら抗議としてジル・スタインを注文させていただきます。」

トレヴァー:じゃあ整理させて。 君はそれら全ての問題が解決すると思ってるわけだね?子どもたちにサンタについての真実を話しさえすれば。

ニール:そうさ、相棒。いつだって真実の方が良いからね。[カメラに向かって]子どもたち、ニールおじさんに少しお話をさせてくれ。プレゼントを運んできたのはサンタじゃない。君たちの親がお金を払って手に入れたんだ。どうやって?彼らは身を粉にして働いたんだよ、大嫌いな職場でね。そこは十分な賃金も払ってくれない。だから彼らは借金をする、君たちの小さな顔に笑みをもたらすためにね。借金には複利が付いて回り、そこから完全に逃れられる日は来ない。それは永遠に大きくなり続け、その重みで彼らの全人生は押し潰される。その義務から最終的に解放されるのは死という甘い救済によってのみだ。それこそがね、子どもたち、クリスマスが本当に意味するものだよ。